41. 関係者と の話し合いの際に、 同じ空間で考えること が必要である。 一般的に、 人は自分の利益だけでものを考えよう と する。 相手のほう も相手の利益で考える。 これは同じ空間にいないと いう こと である。 同じ空間にいないと 、 同じ回答はなかなか出しにく い。 だから、 交渉をまと めるためには、 両方と もが同じ空間にいて考える必要がある。
42. たと えば、 公害問題の処理で企業が考えている空間と 、 地域住民が考えている空間と にはちがいがある。そこで行動もちがってく る。 その二つを同じ大きさの空間に入れて、 おたがいに話し合う こと ができれば、 答えもある程度、 以前より は近づく こと ができるはずである。
空間の大きさについて述べたよう な考え方は、 実は時間についても同じでなければならない。 43. 人間の処理能力がふえるにしたがって、 時間を伸ばして考えること が必要である。 むかし、 今夜の食事が満足にと れるかどう かすら不確定だったと きには、 と ても一年先のこと は考えられなかった。 いまは、 しばらく は損をしてもなんと かやり く り がつく よう になった。 そう すると 、 やはり 長期の利益を目 指すよう にしなければならない。そう しないと 、 相手と の間に摩擦を起こす。 能力に忚じて利益を考える時間の幅も延ばして、 短期の利益から長期の利益へと いう 考え方にしなければならない。
さらに空間の場合と 同じよう に、 時間を合わせる方法が必要である。 たと えば、 自 然は、 非常に長い時間のきざみで動いている。 技術は短い時間で動いている。 あるいは時間を短く するのが技術発展そのものだ、 と 長い間考えられていた。 44. 反忚時間を短く して生産量をふやす、 あるいは速度をはやく して目 的地点に早く つく よう にする――これが技術発展だと 考えられていた。 だから技術進歩と いう のは、 時間を短く すること であったと 言い換えてもさしつかえない。 しかし、 技術だけが時間を短く しても、 結局は技術は自然に依存しているのであって、 自 然の時間を無視すること はできない。 自 然に依存すると は、 自然の時間を尊重すると いう こと でなければならない。
このよう に、 技術と 自 然と の関係でいっても、 時間を合わせなく てはいけない。 そして自然が処理できない分については、 技術のほう で自然の手伝いをして、 時間が合う よう にしなければならない。 空間の大きさをあわせるのと 同じよう に、 このよう な時間を合わせる手続きが必要になる。 45. 排出ガスや工場排水が自 然の処理能力、 浄化能力を上回る可能性がある場合には、 自 然の浄化能力でまかなえる程度にまでの汚水の水準に、工場内で処理して排出すること が、 時間合わせのための必要な措置なのである。
与相关人员谈话时, 必须在同一空间内考虑问题。 人们一般都倾向于只考虑自己的利益。 对方也考虑其自身的利益。 这就不是处于同一空间了。
(「~の際に」......的时候。「~(よ) う と する」 可以表示说话人的意志, 意为“想要......”。)
例如, 在公害问题的处理方面, 企业考虑问题的空间与地区居民考虑问题的空间存在差异。 因此双方所采取的行动也会有差异。 如果能将这两者放入同样大小的空间中, 相互进行对话的话, 在某种程度上应该也可以使双方的结论比之前更为接近。
(「そこで」 在这里意为“因此, 所以, 于是”。「~はずだ」 表示说话人根据某些依据进行的判断, 意为“应该”。)
随着人类的处理能力不断提升, 有必要用更长远的眼光来思考问题。 过去, 在连今晚的晚饭能不能吃上都不确定的年代, 是根本无法考虑一年之后的事情的。 而现在, 哪怕暂时有所损失也能设法安排筹措了。
(「~にしたがって」 随着......, 伴随......。「すら」 意为“连......”, 用于举出极端的例子。「と ても」 后接否定, 表示“无论如何也不......, 怎么也不......” 的含义。「なんと か」 在这里意为“想方设法”。「やり く り がつく 」 设法安排, 筹措。)
过去人们认为, 缩短反应时间以增加生产量, 或者提高速度以更快地达到目的地, 这就是技术发展。 因此所谓技术进步, 也可以说成是缩短时间。
(「あるいは」 或者。「~と いう のは」 所谓......。「さしつかえない」 无妨, 没关系。)
当排放的气体和工厂的污水有可能超出自然的处理能力、 净化能力时, 需要在工厂内部进行处理后再排出,以到达凭自然的净化能力能够应对的水平, 这就是为了配合时间所采取的必要措施。
(「~を上回る」 超过, 超出。「~ため」 在这里表示目的, 意为“为了”。)