单选题
問題Ⅰ次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。答えは、1?2?3?4から最も適当なものを一つ選びなさい。
(次の文章は、「ぼく」と「明子」の夫婦と二人の子どもについてのものである。)
死必く、べす逆転いとめ食)1注をなんとか、(傾向そういう①の娘ているぎす似に親は、子け明くたち、とりわぼだった。だれでもいい、友だちが欲しい。こういう切実な思いは、弟の方の充実した遊びの世界の興奮を一方で(注 2)目のあたりにしている親にしてみれば、実現不可能であるはずのないことに思える。が、よその子を親がよびに行くのも、娘をつれて友だちを探しにいくのも不自然だ。親にできることは、②祈る思いで周辺の子どもたちに気を配ることしかなかった。
外で遊ぶこと、友だちと遊ぶことをなにより喜ぶ親をもてば、子どもははじめは親を安心させようとして、期待に沿うように努力しはじめる。そして、彩子と近づきになった子どもたちは、親の祈りにもとづく感謝や解放感を敏感に察知していった、家の内外に、子どもが集まりはじめた。娘はようやく、孤立が無意識のうちに自ら招いたものにすぎず、自分次第でどうにでも打開できるものだ、ということに気づいていった。その点では、ぼくたちは彩子の勘のよさ、(注 3)感受性の鋭さに感謝した。
けっして社交的とはいえないまでも、彼女が遊びのたのしさを知り、すすんで友だちのところにたずねていくようになったころ、 ③ちょっとした事件が起こった。
夏のある日、明子が彩子と核におもしろがって(注 4)怪談を話してやった、ごく短い簡単な話だったが、幼い二人は本当にこわがり、かつ喜んだ。母の口まねで自分で言ってみて、次の瞬間「わあっ、こわい!」と耳をふさぐ遊びにまで発展し、友だちにも(注 5)吹聴したらしいのだ、「またやって、またやって」としきりに(注 6)リクエストされ、日時まできめられてしまった。むろん、明子はごく気楽に受け合い、すぐ忘れてしまったのだが、その約束した当日、子どものはりきり方が異常だった。タ方になると。「おばちゃん、何時から?」と聞きにくるよその子の上ずった声で、ぼくたちは事態の④意外な進展に気がついたのである、「ごはん食べたらすぐ来るから、わたしが来るまで絶対はじめないでよ」と念を押す子もいた。⑤怪談大会がはじまったのは七時をすぎていた。
部屋を暗くし、十二、三人の子どもを相手にシーツをかぶって明子は(注 7)熱演した。「もういい、おばちゃんやめて!」という女の子、「ウソにきまってらあ」と(注8)ムキになって強がる子、泣き出す(注9)寸前で辛うじてがんばっている子。それらの熱気が部屋に充満した。ふつうの人には事件とはいえないことだけれど、わが家にとっては、実際、記念すべき事件だった、とぼくはいまでも思っている、なぜなら、この夜がわが家に子どもたちが不特定のつながりのまま押し寄せた最初の経験であり、以後、⑥この事態が日常化していくのだから。
(斉藤次郎『子どもを見直す』による)
(注 1)食いとめる:悪化しないようにする
(注 2)目のあたりにする:目の前で面接見る
(注 3)感受性:物事を敏感に感し取る力
(注 4)怪談:幽霊や鬼などが出てくる怖い話
(注 5)吹聴する:言って広める
(注 6)リクエストする:注文する
(注 7)熱演する:熱心に演技などをする
(注 8)ムキになる:意地を張る
(注 9)寸前:直前問 1 ①「そういう傾向」とはどのような傾向と考えられるか。