阅读理解

[三]

  数ある関西の損の中で、言葉の問題がある。いわゆる標準語を称するもの、これはあきらかに関東弁の一種だ。それを、いまさら共通語と言い換えてみたところで、実際には同じことである。無理やりに、こういうものを押し付けてもらっては困る。本気であんなものを奉じしなければならぬとすれば、関西の人間にとって、これは大問題であると言わなければならない。

  標準語のおかげで、関西ではどういうことが起こっているか、実例を挙げよう。この間、豆記者社会探訪という大阪放送を聞いた。数人の小学生が、警視庁のパトロール・カーに乗りこんで、市内を巡回する。その車内での警官と子供との問答を録音している。警官は大阪の人らしくちゃんとした大阪弁で、なかなかよくわかる。親切な説明を与えている。子供のものの言い方を聞いて、これはいけないと思った。緊張していて、何かを棒読みに暗唱しているように聞こえる。どの子供も、アクセントの点を除いては、標準語らしきものを話しているのだが、標準語であろうとする努力で精一杯で、言おうとする内容にまで注意が届かぬというふうだった。舌足らずで、もどかしい。落ち着きがなく、不自然である。それは、まるで言葉になっていない。質問に子供らしい新鮮さがなければ、素朴な驚きの表現もなかった。子供は話すことができなくなっている。大阪の小学校さえも標準語を子供に強いるなどという、愚かな教育をしているのだろうか。放送は結局あまり面白くなかった。放送の面白くないのを一挙に標準語のせいにしてしまったは、少々苦情が出るかもしれない。わたしは、標準語というものが、躍動する心の動きを全く表現できぬほど粗雑なものだとは、一般論としては必ずしも主張しない。ただ、明らかなことは、関西の人間にとって、標準語というのは、まさにそういう不便なものである。標準語で思うことを自由に話せるようになるなんて、容易なことではない。よっぽど、物好きでなければ関西の人間は標準語をしゃべれるようにはならない。

单选题

文中に「実際には同じことである」とあるが、何を言っているのか。

【正确答案】 D
【答案解析】
单选题

文中の「ちゃんとした大阪弁」は警官の話し方であるが、これと対照的な子供の話し方を指している言葉はどれか。

【正确答案】 B
【答案解析】
单选题

文中の「素朴な驚きの表現もなかった」のは、なぜか。

【正确答案】 C
【答案解析】
单选题

文中の「そういう」に置き換えるものはどれか。

【正确答案】 C
【答案解析】
单选题

文章の内容に合っているものはどれか。

【正确答案】 A
【答案解析】