单选题
通学電車 高校時代の三年間は、毎日が小さな旅だった。一時間かけての電車通学。ひとつずつ止まる駅には、それぞれの表情があった。始発の武生を出て四つ目に上鯖江という駅がある。いつもそこから乗ってくる親子がいた。足が不自由らしい少年を、かなりの年配[注1]見うけられる母親が背負ってくるのである。 田舎の電車とはいえ、一応朝のラッシュ?アワーである。武生駅でほぼ座席は埋まってしまい、二つ目以降の駅で乗る人はみな立つ(46)。通勤や通学の人間がほとんどなので、なんとなくそれぞれの定位置があって、互いに言葉こそ交わさないが、その時間のその車両での顔見知りといった関係になる。 どんなに混雑していても、上鯖江まで空いている座席があった。二両目の真ん中あたり。そのが少年を背負ってくる母親の定位置なのである。はじめのうちは、乗ってくるたびに誰かが席を譲っていたのだろう。が、そこに(47)[注2]乗りあわせる人たちの暗黙の了解みたいなものがいつのまにかできて、どんな混みあってもその席には座る人はいなかった。 座席の色が違うわけでもない。「お年寄りや体の不自由な人に席を譲りましょう」そんなシールがでかでかと貼ってあるわけでもない。(48)お互いに名前も知らない。何をしているのかも知らない。けれど、一日の中のある時間を共有している。(49)そこから生まれた不思議なつながり。そこから生まれた[注3]シルバー?シート。 高校を卒業してから七年になる。あの電車に乗りあわせる人々の顔ぶれもずいぶん変わったことだろう。今でも上鯖江で、あの親子は乗ってくるのだろうか。ならば今でも上鯖江まで、あそこの席は空いているのだろう。二両目の真ん中あたり。[注]見うける:看上去乗り合わせる:(和别人)偶然同乘シルバー?シート:老弱病残孕专座50.「筆者の高校時代の通学電車」とは、どんなものなのか。