明治改暦以来135年経った。日本は旧暦を捨てて近代化に邁進しました。旧暦が(1)生きている中華文化圏との連体感も希薄になりました。
明治6年から新暦の運用が始まりました。五節句(2)始めとする年中行事やいろんな記念日の日付が、旧暦の日付がそのまま新暦の日付になります。明治5年12月3日を明治6年元日にした時に、日付は28日飛ばしたという。飛ばした一月は四季のある日本では、季節感を根本的に狂わ(3)のです。寒中に迎えるお正月を「新春」と言ったり、梅の季節の雛祭りを「桃の節句」と言ったりする矛盾が、改暦後に噴出しました。そこで我々の先輩が考え出したのが、三つの年中行事基準でした。
仲秋の名月が代表例です。仲秋の名月は旧暦8月15日ですが、新暦の8月15日では月象が一定しませんし、仲秋でもありません。そこで、旧の日付を新暦に換算していますので、日付は毎年(4)のです。2008年は9月14日、2009年は10月3日が仲秋の名月です。旧暦2月1日から14日まで、東大寺の「お水取り」行事が行われます。旧暦2月は仲春です。新暦2月1日からこの行事を行えば、厳寒で季節が合わないので、仲秋の名月のように旧暦を新暦換算(5)、月象は無視して単純に一か月遅らせるのです。盂蘭盆会も旧暦7月15日の行事でした。これも現在、月遅れお盆として、8月15日に月象を無視して行われています。
旧暦6月が盛夏渇水期でしたので「みなづき」と言われ、日本各地で夏祭りが行われました。大阪「天神祭」も旧暦6月25日の行事でしたが、新暦6月は梅雨ですので、一か月遅らせて7月25日に行われています。(6)、季節感を合わせるために一か月遅らせた年中行事はたくさんあります。
中国・べトナム・韓国・朝鮮では、現在(7)春節が公式の祝日です。世界中に在住する華僑・華人を合わせると15億人が春節を祝っていますが、日本(8)が季節に合わない新暦1月1日を、新春正月として祝っています。
五節句の、七草、雛祭り、端午の節句、七夕、重陽なども、旧暦の日付をそのまま新暦の日付(9)行っていますから、実際の季節よりも(10)一か月早い行事となっています。
俳句の季語で「七夕」がなぜ秋なのか。旧暦(11)秋が7月・8月・9月だったからです。子供の成長を祝う「七五三」も、本来は旧暦11月15日の行事でした。
(1)~(11)に入れるのにもっとも適切なものはどれか。
文中の「四季のある」の「ある」と同じ使いのものはどれか。
文中「考え出した」の「出す」と同じ使い方のものはどれか。
文中「そこで」と同じ使い方のものはどれか。
文中の「仲秋の名月のように」の「ように」と同じ使い方のものはどれか。
文中「行われています」の「(ら)れる」と同じ使い方のものはどれか。
文中「季節感を合わせる」の意味に近いものはどれか。
文中「世界中」の「中」と同じ使い方のものはどれか。
文中の「日付」の読み方はどれか。
文中「つゆ」の読み方はどれか。