一夜の木枯らしにざくろの葉は散りつくした。
その葉は、ざくろの木の下の土を円く残して、そのまわりに落ちていた。
雨戸をあけた紀美子は、ざくろの木が裸になったのにも驚いたが、葉がきれいな円を描いて落ちているのも不思議だった。風に散り乱れそうなものだった。
このざくろの実も、落ち葉に円くかこまれた庭土も、凛と強くて紀美子は庭に出ると、竹ざおでざくろの実を取った。
熟しきっていた。盛り上がる実の力で張り裂けるように割れていた。縁に置くと、粒粒が日に光り、日の光は粒々を透き通った。
无一夜寒风。石榴树的叶子全落光了。
石榴树下残留着一圈泥土,叶子散落在它的周围。
纪美子打开挡雨板,看见石榴树变成光秃秃的,不由得大吃一惊。落叶形成一个漂亮的圆圈,也是不可思议的。因为风把叶子吹落以后,叶子往往都凌散到各处。……
这些石榴,和被落叶围在圈中的泥土,都是冷冰冰的。
纪美子走出庭院,用竹竿摘取石榴。石榴已经烂熟,被丰满的子儿胀裂了。放在走廊上,一粒粒的子儿在阳光下闪烁着。亮光透过一粒粒的子儿。